個人のコミュニケーションツールとして誕生したSNSも、昨今では政治や選挙に影響を及ぼすなど、年代問わず社会的な情報発信・収集ツールとして発展しています。
SNSネイティブと称されるZ世代の就職活動においてもSNSの活用はどんどん拡大しており、会社側も採用活動を目的としたSNS運用に取り組むことが増えてきました。
今回の記事では、主に新卒採用におけるSNS採用の可能性とトレンド、NAVICUSがおすすめする採用目的のInstagram運用について解説します。
新卒採用におけるSNSの可能性
調査によると、今や6割以上の学生が就職活動でSNSを利用し、その半数以上が選考に関わる社名をSNSで検索しているという傾向が出ています。一昔前までは、就職情報サイトなどのナビ媒体に掲載された各社の情報を起点に、そこから案内される自社サイトや採用イベントで理解を深めることが定石でしたが、今は学生向けに形作られたナビ媒体のほかにも、SNSを通じてより多角的でリアルな情報を集めている様子がうかがえます。
では、SNS上で得た情報は学生にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
調査によると、就職活動でSNSを利用する学生の約8割がSNSによって入社の意向度が高まると考えているようです。さらに、SNSで得た情報が学生の意向に影響を及ぼすタイミングとしては、情報収集を主におこなっている6月のタイミングよりも、より意思決定をおこなう3月のほうが多くなっています。
内定承諾の意思決定にあたり、一層強く自分がその会社で働く姿や職場で築くキャリアについて考えるとき、SNS上で発信されている内容が大きく影響することが考えられます。
このことから、採用を目的としたSNS運用は、学生とのタッチポイントを増やすためにも、会社が求める学生からの入社意向を獲得するためにも効果的な手段といえます。
新卒採用におけるSNSのトレンド
日々、続々と新しいSNSツールが生まれていますが、その中でもZ世代に最も利用され根強い支持を集めているのがInstagramです。Instagramは情報発信・拡散に効果があるほか、アカウントを通して社内のリアルな雰囲気を伝えることにも優れているのが特長です。
採用を目的としたInstagramの運用タイプ
Instagramで「#採用」と検索すると、業界や職種問わず様々な会社のコンテンツが投稿されています。NAVICUSでは、採用を目的としたInstagram運用は以下の3タイプに分けられ、それぞれ効果と懸念があると考えています。
1.バズ型
主にリール動画を活用し、誰が見ても面白いと感じられるネタ的なコンテンツを発信しているタイプ。
効果◎:会社に興味がなくても、コンテンツとして面白みを感じ興味喚起の入口になるため、認知獲得のフェーズに効果が見込める。
懸念△:興味喚起の後、実際の応募や入社意向の向上に繋がるかは疑問。コンテンツのネタ要素が作用してミスマッチに繋がる懸念も。
2.理解促進型
写真やテキストで会社の魅力や特徴をコンテンツ化し、わかりやすく伝えているタイプ。
効果◎:求める学生像に合わせた会社の魅力を抽出して伝えることで、応募獲得からアトラクト・入社意向の向上まで全般に効果的。
懸念△:会社のことを全く知らない人からの認知獲得に繋がりにくい。
3.日常型
主に写真で会社や仕事の日常シーンを切り取り、コンテンツらしい説明などを省いてありのままを発信しているタイプ。
効果◎:社員や会社のリアルな雰囲気が、実態とのギャップを少なくありのままに伝えられるため、選考から入社後にかけてのフェーズに効果的。
懸念△:事前にある程度の興味や、会社・仕事への理解をもった状態でないと閲覧に繋がりにくい。
より効果的にInstagram採用を進めていくためには、効果を期待するフェーズや獲得したい反応を定め、目的を明確にして設計していくことが重要です。
NAVICUSではSNSが学生の入社意向の向上に影響する傾向も踏まえ、Instagramは興味喚起から入社にかけてのアトラクトにより強い効果があると考えています。
Instagram採用でよくあるお悩みとポイント
NAVICUSではこれまで、SNS採用をテーマにしたセミナーを複数回おこなってきました。
セミナー参加者のアンケート結果では、Instagram採用について大きく2つのお悩みが挙げられています。
1.Instagramならではのコンテンツがわからない
Instagramには、フィード・リール・ストーリーズなど複数の投稿形式があり、拡散されやすいポイントや興味を惹きやすい投稿のポイントがそれぞれ異なります。
より効果を発揮するために「どんなコンテンツを」「どの投稿形式で」「どの頻度・バランスで」投稿したら良いのか設計ができないというご相談が多数寄せられています。
2.どんなコンテンツが学生に需要があるかわからない
Instagramの運用タイプにまとめた通り、SNS上にはネタ要素の強いコンテンツからありのままの日常、社員インタビューなど様々なコンテンツが溢れています。SNSは就職活動に特化したナビ媒体と異なり、学生以外のユーザーも目にして反応するため、ターゲットとなる学生に受け入れられているのか、求める情報を発信できているかの効果測定には工夫が必要です。
学生のニーズや対外的にみた自社の魅力を把握できず、自社が伝えたいことを手当たり次第に他社の真似をしながら投稿しているといったお悩みもよくうかがいます。
Instagram採用の運用ポイント
結果を生みやすいInstagram採用のポイントとして、「学生が知りたいことと自社の魅力の重なりを、Instagramの“お作法”に則って伝えていくこと」が重要です。
学生が知りたいことと自社の魅力を整理して伝えるべきことを定めるためには、以下の2つをおこなうことがおすすめです。
- ターゲットとなる学生について詳細なペルソナ(学年・就活フェーズ・仕事に対する考え方・キャリア志向など)を設定すること
- 自社の魅力を採用の4P(理念・目標への共感、事業・業務内容の魅力、人・文化の魅力、働き方・待遇の魅力)に分類して整理すること
また、Instagramに適した伝え方については、変化が激しいInstagramの仕様やアルゴリズムについてタイムリーに把握するほか、以下の3つをおすすめしています。
- 自社のブランドイメージを踏まえた世界観を構築すること
- 整理した自社の魅力を、就職活動のフェーズに合わせたタイミングでコンテンツ化すること
- リアルタイム性・タイムパフォーマンスなど、Instagramのユーザーに受け入れられやすい内容で投稿すること
さいごに
今回は、学生の就職活動におけるSNSの可能性とトレンド、採用を目的としたInstagram運用のポイントについてお伝えしました。
Instagram採用は、コンテンツごと単発で企画・制作をするのではなく、ターゲット設定や自社の魅力抽出といった大枠の部分から考え世界観のあるアカウントをつくることが重要です。膨大なリソースは必要になりますが、SNS採用には学生に自分たちの言葉・コンテンツで魅力を直接発信し、理解を深めて入社意向を向上させられる強みがあります。また、運用を通して会社と学生の相互理解と共感を深めることで、入社後もギャップが生まれないベストマッチングを生み出すことができます。
Instagram採用についてご興味をお持ちの方や、現在お悩みを抱えている方は、ぜひNAVICUSのInstagram採用支援サービスもご覧ください。
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